6/10(木)ワークショップレポート(林)

今週も『海の牙〜黒髪海峡篇』よろしくお願いします!
今回はまず、
先週かけあしになってしまった一幕ラストをもう一度おさらいしました。

追い詰められたシャラシャラコ。
そのシャラへ呉一郎は、手を伸ばす。
そして”ダントン”が語り始める。
千夜一夜物語を抜け出そう、二人で完璧な円を目指そうと。

その手を取り、瀬良皿子は唄う。

坂を下るすごい手のお方
耳までとどくすごい目の人よ
あたしの心をうばってどこへゆくの
ここには不法が横行しているの?

そこには転落によって男っぷりをあげた呉一郎。
下り坂をいく二人!(冒頭の二人の会話を思い出しますね。

そして、地雷の仕込まれていた”ダントン”は脱出のごとく宙に舞う。
とここで、先週残したままであった、最後のト書き。

名和四郎は、もう一本の火矢を弓につがえて放つ。
笛の音をひびかせてとんでゆく。

この名和四郎の放った矢の意味。
私も最初読んだときは、名和四郎も苦しみを乗り越えるべく、ダントンと同じように
矢を放ち、跳び立つ。というようなざっくりとした捉え方をしてしまっていました。

がしかし、切実な彼自身の立場にたってみると、そうではない。
カツラを被り、チョゴリを着たシャラは”日向”の母。
二人の脱出は名和四郎にとって、自分の女を連れていかれることになるのです。
そこで名和四郎は矢を放ち、飛び立つ二人に待ったをかける。
名和四郎が呉一郎のライバルへとなる瞬間です。

(唐ゼミ☆が上演した際の一幕ラストは、名和四郎が飛んでゆくダントンを射落とし、
名和四郎と睨み合うところまで作ったそうです。)

そして二幕へ向かいます!
二幕 ヘア・ジャック

留置場に収監されている呉一郎。
身元引受人として、按摩が現れる。

シャラと呉一郎は脱出をはかるも、一緒になれず、
呉は飛び立った手のことを思い日々を過ごしていた。
ある日乗った電車で、つり革につかまる手の中に、シャラの手をみつける。

しかしそのシャラが国士舘の制服を着た学生たちに嬲られているのを目にしてしまう。
呉一郎は彼女を救うためナイフを振るい、様々な手を切ったのである。

それを聞いた按摩は、
朝鮮人パンマが戯れていただけだ、と呉一郎に言い聞かせる。
弁解をはかる呉一郎であったが、またベットに倒れてしまうのであった。

と、ここまででワークショップは終了!
とうとう二幕へ突入。
一幕ラストで呉一郎のライバルになった名和四郎が二幕でどうなるのか。
そして、シャラは嬲られていたのか、戯れていたのか。
“ダントン”を失った呉一郎はこの後どうなってしまうのか。

また来週も、よろしくお願いします!

DSC_0405.JPG

コメントを残す