3/9(水)ここは危険なまち
↑冬枯れで寂しげだけど、オフィスから見えるAlbanyの中庭はのどか。
土地柄を考えたら、ここには”ホッとできる場所”という意味合いもある。
『唐版 俳優修行』が愉しい。
初演は1977年の秋。同じ年の春にあの小林薫さんが大活躍した
『蛇姫様 わが心の奈蛇』が上演された後に書かれた作品だ。
唐さんによれば、あのロマンはどこへいったと、お客や批評家に
嘆かれたらしい。
けれど、今の自分にはこの悩みの薄さ、軽快さが愉しい。
まだまだ序盤だけれど、コントのような小気味の良さは、
自分が愛してやまない『恋と蒲団』に通じる。
二作品が書かれた時期は近い。それに同じ単行本に収録されている。
読んでいると明るい気持ちになる。3月は首っぴきで取り組もう。
語学学校に特筆すべきことなし。
トルコとサウジアラビアの連合軍団がうるさくて、先生が困っている。
先生は別の生徒に質問を振っているのに、彼らは横からすぐに答えて
しまうのだ。さすが10人を超える兄弟がいる家庭で育った彼らは闘いを
心得ている。より声の大きい方が勝つのだ。面白い。
美味いものが好きな日本人青年のS君をいつもの
インド料理屋 Hullabaloo に案内して二人でガッツいていたら、
長身の黒人男性が店に入ってきた。目はまどろみ、ズボンのウエスト部分
も危うげで、誰彼かまわず絡んではカウンターにもたれかかり、
「お茶をくれよ」と言っている。明らかにドラッグだ。
店の人は慣れた手つきで紙コップのお茶を外のテーブルに置き、
彼を店外に連れ出した。大家のダイアンさんは、DeptfordとLewishamには
気をつけろと言う。そう言われても毎日通うAlbanyだから避けようが
ないし、最近は慣れきってしまって当初の警戒が和らいでいたことに
気がついた。ここは危険なまちなのだ。
今日もロミカは来ない。メールにも返信なし。仕方ない。
セリに少し話を聞いてもらって、セントラルに繰り出すことにする。
我慢と粘りが肝心。焦りは禁物だ。

