8/6(日)ストーキング(椎野)

『恋と蒲団』を読みながら思い出したことがあります。
『恋と蒲団』は、瀬戸物屋の娘への恋に悩む、
青年の終わりなき長い長い独り言からはじまります。
青年は夜な夜な瀬戸物屋の周辺をうろつき、
彼女の寝息が聞こえないかドキドキしながら
店先のシャッターに耳を押しつける、というような
ヤバイ行動をしています。
そう、私も高校生の時に、
朝の通学時に毎日見かけるいい感じの男性会社員が
どこの会社に勤めているのかどうしても知りたくて後をつけ、
見失い、後をつけ、見失い、後をつけ、とういうのを数回やりました。
見事に全部まかれましたので、多分、バレていたのでしょう。
私は『恋と蒲団』の青年のように恋文をしたためるために
手紙を50回書き直し、送るべき花言葉を選びに選び、
一生の恋と思って、返事がもらえなかったら地元埼玉深谷を出よう
とまではもちろん思いませんでしたので、詰めが甘かったです。
その後、その会社員は、私の乗る車両からは消え去り、
いつしかその存在も薄っぺらくなり、記憶からは
サーっと消えて無くなっていたかに思われましたが、
最近『恋と蒲団』を読むにあたって、トラウマのように
その光景がフラッシュバックしてきました。
少し前までは気にもとめていなかったような
唐さんの芝居の設定やせりふに、最近は心動かされます。
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↑プールが涼しそうだったので、清涼感としてお楽しみください。

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