8/14(月)『夜叉綺想』本読みWS 第7回レポート
↑一番左に見えるのがドイツ製顕微鏡。かなり巨大に作りました
2014年7月 唐ゼミ☆『夜叉綺想』公演より(撮影:伏見行介)
昨日は日曜日恒例の本読みワークショップ。
目下とり組んでいる『夜叉綺想』第7回でした。
箇所としては、2幕終盤になだれ込んでいくところです。
かつて昭和35年7月に野口博士が牛乃ゴーシュにほどこした
前頭葉手術=ロボトミー手術が、ますますグロテスクに
浮き彫りになるところが主眼でした。
まずは、前週の復習から始めました。
本来は8/6(日)に行うはずを私の予定から8/7(月)開催にしたので、
参加できなかった方たちをフォローしたかったのです。
それに、前回の箇所は重要でもあり、
劇全編の中でも特に振るった場面の連続でもあったので、
どうしてもたのしんでもらいたかった。
復習したのは主に次の2点です。
・牛乃京子が野口博士と対決し、昭和35年7月の手術周辺を回想する
・1幕終盤で野口弟に水銀を飲ませようとした京子。しかし、
実際には水銀を飲ませておらず、その様子が明かされる
これらを通じて劇の前段となるエピソード、
1幕と2幕の間に何が起こっていたか、がはっきり象を結ぶ。
すると、複雑に見えるこの物語が一直線に見えてきます。
その上で、昨晩のメインのシーンがやってきます。
牛乃京子が野口弟に抱いた殺意や、水銀による復讐を有無を巡って、
魔大医学部研究室に乗り込んできた刑事が謎を解いていく。
そんな探偵調で約20ページが展開しました。
それによると、
・牛乃京子に復讐の意志があった。
・そのために水銀も用意していた。
・しかし、実際に野口弟に飲ませることができなかった。
というのが真相です。
が、以下のケイコや野口博士の嫉妬、牛乃の内面が刑事を混乱させる。
・野口弟を好きな博士の妻ケイコは京子を毒婦にして貶めたい。
・野口博士は妻ケイコが弟を愛していることが許せない。
・野口弟に水銀を飲ませるのを躊躇った理由を、京子自身も整理できて
いない。(恋愛感情か、優しさか)
このシーンには野口博士ご自慢のドイツ製顕微鏡が持ち出され、
アクションとしても盛り上がります。
さらに、若い土方が闇に紛れてケイコをレイプしたり、
やはり暗闇に紛れてマニキュアの紳士が野口弟と事に及ぼうとしたりと
その場にいる何人かが欲望を撒き散らすのが快いカオスを呼びます。
続く場面では京子と野口の6ページほどの対話が展開しますが
彼らはお互いに惹かれ合い、歩み寄ろうとしつつも、いまだちぐはぐ。
・・・と、昨晩はここまででした。
来週は2幕を終えて3幕に入るところまでを読みます。
特に2幕終わりになだれ込む『夜叉綺想』の完成度は高く、魅せます!

