10/10(木)『少女都市』本読みWS 第4回 その②

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↑フランケの食事はこれです。三浦市の三崎口に行くと食べられます。
フランケはこれをマグロの頭でなく、サメと言い張っていますが。
生々しいものの代表例であるこれを食べつつ、ガラスの少女や
オテナの塔という相反するものに憧れる。単なるギャグで済ませず
フランケの内面を推し量る必要を感じる食事です

10/7(月)に行った『少女都市」本読みのおさらいです。

昨日は「2幕」をまとめたので、今日は「3幕」冒頭をまとめます。
2幕を挟んで、3幕は1幕の続きです。
フランケ醜態と雪子の居住空間のなかで、雪子のガラス化はますます
進行していくわけですが、雪子に不安が兆す、というのが三3幕冒頭の
主題です。
まず、3人の女たちが登場し、一升瓶を使って玄米のヌカを突きながら
月に一度くる生理とか、働かない旦那の話をします。
要するにこれらはいずれも「世帯くささ」とか「生活感」を感じさせる
もので、雪子とフランケの目指す「ガラスの少女」「オテナの塔」と
対局にある存在を羅列していることが重要です。
その後、雪子が登場して、自分がガラス化されていることを語る
わけですが、遠ざかりたいと願っている生活感、人間が動物として
持っている生理現象のいちいちが、いざそれを捨てようとした時に
後ろ髪引かれる思いのあることを言い出します。
フランケはとうぜん困惑しますが、雪子は揺れます。
そして、その象徴が「3本指」です。
これは、1幕で話題に出た3本指のこと。
雪子がガラス工場での事故により失った3本指は、雪子の体から
切り離されているためにガラス化されず、やがて宙空をさまよった後に
雪子の「肉体部分」としてガラス化を阻みにやってくる、
というイメージに雪子が囚われます。
実際には、事故に遭って飛び散った指は、
粉々に引きちぎれるか、腐るかして、処分されざるを得ないものですが、
それらが宙空を彷徨ったのちに飛来するイメージは見事です。
フランケと雪子の希望と不安が入り混じるうち、
連隊長に化けた雪子の兄がやってきて、フランケをまんまと退場させると
ここから、長い兄と妹の場面が始まります。
次回10/13(日)で『少女都市』最終回です

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