3/10(火)『ビニールの城』本読みWS 第5回 その①
昨日のオンライン本読みのレポートです。
『ビニールの城』、1幕を経て2幕に進みました。
1幕終盤、店にやってきた「夕一」に「モモ」は別れを切り出します。
そして、自分が本当に想っているのは「朝顔」だと、決然と表明します。
「夕一」の叔父である「連れ(後に名前が”引田”と知れる)」は、そのような状況に
甘んじている「夕一」に苛立ちます。甥っ子を思えばこそ、当然の感情です。
肝心の「朝顔」は、背中を向けたきりで「モモ」の想いに答えることがありません。
「モモ」と「夕一」を中心に、これは男と女の別れの修羅場です。
普通に考えれば、「夕一」はさんざん耐えてきました。
体も許してもらえないし、自分の名前が「朝顔」の腹話術人形「夕ちゃん」の
かわりになる。それだけの理由で「モモ」に選ばれたことは百も承知である。
それでも尚、「夕一」は「モモ」といられることの方を選んできたわけです。
一方、「モモ」も、そういう「夕一」の気持ちがわからないわけではない。
むしろ、感謝もある。が、それでも尚、「朝顔」への想いがやむにやまれない。
そして最後に、三角関係の一角を成す「朝顔」は、そんな二人のやり取りを
見ても尚、「モモ」の想いと、「夕一」の犠牲に応えることはできない。
という、地獄のような光景が出来します。まさに、修羅場。
オンライン本読みでは、この修羅場をどうつくるかということを重視しました。
こういう場合は鉄面皮では面白くありません。
役柄として、お互いに相手の心情が汲み取れて、相手の事情もわかる、
けれど、自分の気持ちがどうしようもなく譲れない三者のぶつかり合いに
仕立てることが、修羅場をさらに修羅場たらしめるコツなのです。
1幕ラスト、「モモ」は「朝顔」に、自分がビニ本の女であることを告げます。
これは、彼女にとって最後の賭けといえます。
「朝顔」が以前のアパートで語りかけ続けてきたビニ本の被写体の女こそ
自分であると初めて「朝顔」に告げることで、「モモ」は、自分が「朝顔」を
好きになった本当の理由を伝えた。
果たして「朝顔」はこれに応えられたのか。
という疑問を孕みつつ、舞台は2幕へ。レポートは明日に続きます。

