5/18(月)『愛の乞食』本読みWS 第2回

↑初演当時の公衆トイレは、誰もいなくても勝手に頭上タンクの水が
流れることがあったようです。頭上なので、音が大きい。
そこに唐さんは、「海」を見出したということでしょう。

初回は『ジョン・シルバー』シリーズ全体の共有に終始したので、
実質的に昨日からが本題『愛の乞食』の本読みでした。

まず、公衆トイレから舞台が始まります。
この公衆トイレ、現在のように男女が外の入り口で分かれていない
ようです。つまり、トイレ空間は男女共有で、個室は小便ではない
男性と女性の共用という仕組み。

このトイレの小便器にゲーゲー吐いている「ミドリのおばさん」がいて、
その背中をさすっている保険のセールスマンがいる。

よく見ると「ミドリのおばさん」はおじさんで、物語が進むと
元・海賊の「尼蔵(あまぞう)」だと明らかになります。

そんな、弱り気味だけれど強面の「ミドリのおばさん」が、
言葉巧みに自分にかまってくれたセールスマン「田口」に
絡みつくところに序盤のおもしろさがあります。

自分のことは気にするなと何度も言うくせに、
いざ「田口」が帰りそうになると何度も引き止める。
というベタなやり取りが繰り返されるうちにコミカルなリズムが
生まれます。そうして、冴えないサラリーマンである「田口」は
自らの平凡さに愚痴こぼし、「ミドリのおばさん」はこれを
親身に聞いたりする。この友情と距離感を上手くやりたいものです。

と、そこへ「老人(ガードマン)」が入ってくると、
公衆トイレを私物化した「ミドリのおばさん」は彼をからかって
返り討ちにします。常識的には「老人」の方が正しいんですが、
その強引さが痛快。

やがて、「ミドリのおばさん」の仲間らしき「イザリの男」、
親しげな「少女」まで入ってきて、あっという間に公衆トイレは
朝鮮キャバレー「豆満江(ずまんこう)」になってしまい、
「田口」は目を白黒させる、という見事な導入でした。

次回から、登場人物たちに海賊っぽさが出てきます。
『ジョン・シルバー』シリーズの片鱗が動き出します。
次回は、5/24(日)。