12/22(火)電車と唐さん①
今日、久しぶりに電車に乗りました。
数年来、車での移動が増えて、電車での移動が激減しました。
それに伴い、本を読む量が減り、音楽や語り物を聴く頻度はうんと増加。
たまたまこのような境遇であることは、
コロナが猛威を振るう状況ではありがたいことです。
そのようなわけで、車中はウキウキと読書。
唐さんの著作『風にテント 胸には拳銃』という
『唐版 風の又三郎』パレスチナ公演、
『ベンガルの虎』バングラデシュ公演のルポルタージュを
久々に読み返しました。
唐さんの描写は、極めて非日常的です。
非日常的な地域に遠征している最中の描写なので、
そんな非日常性も当たり前といえば当たり前ですが、
それにしても激しい。ちょっと紹介すると、
バングラデシュの女は雌虎だ。
昔より伝わりし、追いはぎの国の女だもの、
男に追いはぎをさせている黒幕は女に決まっている。
・・・こんな具合です。
さしもの唐さんとはいえ、
これはちょっとカマし過ぎなのではないかと思いながら
数々の描写を愉しみました。
常に妄想にかられているように見える唐さんは、
同時にかなりリアリストであると、私は思っています。
妄想や詩的なものに酔っていない冷静さを、唐さんに感じます。
一方で、見えないものを見えると嘯いているわけでも、
意図して作り話を捏造しているわけでも、もちろん無い。
唐さんの云うことをどこまで信じ、また疑うのか。
そのあたりのバランスは大変おもしろいことだと
電車に乗りながら考えました。
そのあたりも絡めながら、これから数日、
電車と唐さんについて思い出すことを書いてみたいと思います。

