4/29(木)ワークショップレポート(林)
『海の牙〜黒髪海峡篇』今週のワークショップレポートです。
先週は呉一郎の右手、”ダントン”が自らの意思で動き始めたところでした。
それではいってみましょう!
妙な男が坂を上がってくる。
この男こそ今週の新しい登場人物「梅原北明」
そして、その男は少年を連れています。
のちにわかりますが、この少年の名は「名和四郎」
さて、その北明、カツラ屋を訪ねてきた様子。
落ちているカツラをひろいあげ、
連れの少年にこれを落としたのかと聞きますが
少年は喋らない。ーー。ずっと喋らない。
呉一郎がカツラ屋のものであると説明し、
北明と会話を始めます。
呉と北明の会話が進んでいくと、
この「梅原北明」が”呼び屋”であることがわかります。
余談ですが、みなさんはこの”呼び屋”、馴染みがありますか?
私は恥ずかしながら、あまり馴染みがなく、
どういう存在なのかあまりわかっていませんでした。
数年前、中野さんに神彰(じんあきら)の存在を教えてもらい、
その神彰が招聘した「ドン・コサック合唱団」のCDを聴いたのが
“呼び屋”を認識したきっかけです。
この梅原北明、せりふの中で過去の呼び屋の仕事について語ります。
日劇の再建に一役買っており、
マーカス・ショーにラインダンスを踊らせて、大入りになったことや
マーカス・ショーの中に無名のダニーケイがいたことなど。
とはいうものの、いまやその面影が感じられない風貌。
今は何をしているのかという呉の問いに、
北明は自分の背負っているカツラを見せます。
今は、カツラの呼び屋であると言わんばかりに。
彼は、朝鮮半島の女の髪を切ってカツラを売っているのです。
そして、連れの名和四郎の母の髪の毛も
この背負っているカツラの一つになっていることがわかる。
カツラ屋の主人を見つけた北明は少年とともに、
主人を追い、その場を去ります。
それと入れ替わりに、パンマの瀬良皿子がやってくる。
(ワークショップ初回以来の再会!)
瀬良皿子はずっと自分を待ち続けていた呉一郎をからかう。
瀬良はなかなか本題に入らない呉一郎にしびれを切らせて、
女 草っ!
呉 何ですって?
女 草と言ったんだよ。植物の。おまえ、草民だな!?
呉 何ですって?
女 草と言ったんだよ。植物の。おまえ、草民だな!?
この表現、今でいう「草食系」という意味の罵り方。
(唐さんはもうすでに、その表現を使っていたとは。。。!)
超ドストレートに、草っ!
その後、パンマとお客の関係について語る瀬良はこんなことを話します。
どういうことなんでしょ。あたしに呼びだしが来た。
あたしは立ってその人のところに歩いてゆく。
すると向うもどんどん動きだす。あたしは追う。向う遠ざかる。
それであたしはかけ出す。まるでグルグル回り。いい?
こんな円周があるとあなたはお思いになります?!赤の他人よ。
つき合いもないのよ。つまり鉄棒の大車輪でいえば
あたしは立ってその人のところに歩いてゆく。
すると向うもどんどん動きだす。あたしは追う。向う遠ざかる。
それであたしはかけ出す。まるでグルグル回り。いい?
こんな円周があるとあなたはお思いになります?!赤の他人よ。
つき合いもないのよ。つまり鉄棒の大車輪でいえば
鉄棒という軸がないのに体が回るようなものじゃないの。
なんと、瀬良皿子自ら大車輪の話を始めるのです。
そこで呉一郎 (目が光ってくる)…。 のカッコ書き。
とうとう瀬良の背後に忍び寄り、髪の毛を触る呉一郎。
再び、ダントンが前のめりに動き出します。
“瀬良さん、よろしいですか?”
ついに初恋の相手へと手を伸ばす呉一郎。
冴えない呉がダントンの力をかりて、一歩踏み出します。
というところで今日はここまで。
“呼び屋”である梅原北明の目的は一体何なのか。
そして喋らない少年。
気になる登場人物も増えた今週のワークショップ。
なにより、瀬良皿子に接近する”ダントン”
この二人の展開もますます気になるところ。
引き続き、よろしくお願いします!

