6/3(月)『腰巻お仙 振袖火事の巻』本読みWS 第4回
↑出版された本に必ず載っているこの絵。
唐さんが台本に書いたものでしょう!
昨晩の本読みについてレポートします。
読んだ箇所は、3幕後半・4幕前の幕間劇・4幕のさわり、です。
この箇所には、『腰巻お仙』シリーズの定番となった場面が登場します。
3幕の床屋、4幕の袋小路病院。こういったところでは、
場面だけでなく、そこでなされるやりとりもまた前作を受けた
ネタとして繰り広げられます。
床屋が永遠のお客の星型の禿頭を磨いたり、
ドクター袋小路が遊び半分な診断を患者にくだす、
お馴染みのシーンです。他にも繰り広げられるドタバタも含めて、
すごく面白い。ところが、一瞬一瞬のやり取りが面白いほどに、
全体のストーリー、物語進行を忘れてしまう。
ですから、昨日の本読みでは全体の流れを改めて確認しました。
主人公である円谷芳一(つぶらや ほういち)を中心に。
1幕。
芳一は中学を卒業して自衛官になるところ。
後にこの早期教育の理由が、父である床屋が日本帝国海軍出身で、
強烈な軍国主義者だからだと分かる。思いを寄せる仙子との別れ。
が、芳一は、仙子のために一人前の男になる気概に満ちている。
2幕。
一年後。自衛官になった芳一が帰省中に新宿に立ち寄ると、
そこで、街娼となった仙子と再会する。芳一の戸惑いをよそに
仙子は芳一としけ込むが、芳一を待ち受けていたのは、仙子が
これまで堕ろした未熟児たち(明智小五郎を名乗る)だった。
小五郎たちに耳を斬られ、自衛官としての将来を断たれる芳一。
3幕。
芳一の実家の床屋。耳を斬
られた芳一は実家で静養中。
られた芳一は実家で静養中。
息子を立派な軍人にしたかった床屋の嘆きは深い。
旧海軍の仲間として袋小路も訪ねて来ると、禿の客、床屋と
意気投合する。一方、仙子は芳一につきまとう。
仙子や堕胎児にこれ以上、芳一を好きにさせないために、
床屋たちは芳一の体に血縁の文(円谷幸吉の遺書)を書いて
家族とのつながりを身に纏わせ、仙子たちへの結界とする。
自らの家族と、仙子&堕胎児たちの間で、引き裂かれるように
苦しむ芳一。芳一の仙子への想いが仇となり、芳一は堕胎児らの
父となってしまっている。(実際の父親は仙子を買った男たちで
あろう)
4幕前の幕間。
西口おつたの嘆き。おつたは体を悪くし(原因はおそらく性病)、
娼婦をやめてうどん屋になっている。おつたのせりふから、
戦争で弟を亡くしたおつたの身の上が知れる。弟に芳一を重ねる
おつた。
と、チンピラとなった小五郎たちと、ヤクザに身を落とした芳一の
ケンカが繰り広げられる。零落しながらも、仙子への想い、
小五郎たちを捨てた罪悪感に苦しむ芳一(責任感が強すぎる)。
4幕。
袋小路病院にて、どうなるか?
・・・という進行を整理しながらやりました。
どんなふうに大団円するか、来週が最終回です。
かなり爽やかな青春モノとして物語が解決するところが
見どころ。『忘却篇』『義理人情いろはにほへと篇』『振袖火事の巻』、
3作を読むことで見えてくる青春残酷物語とその昇華を味わって
ください。最終回は6/9(日)19:30から!

