6/8(土)新潟の『唐版 風の又三郎』
↑早津さん自身は風の商人・伝説の樫村少尉・宮沢先生を演じました!
今日は『少女仮面』のチケット発売日でした。
午前10時よりたくさんの方にご連絡をいただき、
応援の会話とともに受付をしました。今回はいつものテントと違い、
劇場での公演です。(恵比寿のエコー劇場)
ですから、テントと違い、”満員”がはっきりとある。
テントだと集客状況に合わせての拡張ができ融通無碍なのですが
(もちろん限度はありますが)、劇場ではそうもいきませんので、
正確を期してお迎えしたいと思っています。
上演時間は90分前後の想定で、休憩はありません。
『少女仮面』は唐十郎作品の中でも屈指の凝縮度を誇る劇ですから
コンパクトで見やすく、内容充実でおもしろい公演を目指して
企画しました。体調的にテントはハードルが高く、それでいて
唐作品がどんなものか興味のある人に観ていただけたら冥利です。
さて、特に午前中はチケット発売開始に対応しながら、
午後から新潟にやってきました。唐ゼミ☆の恩人の一人である
新潟の早津博美さんが、有志の皆さんを集めて『唐版 風の又三郎』を
上演したからです。
信濃川沿いにある劇場りゅーとぴあの庭園にテント劇場を設え、
公演する企画です。同じプロジェクトは三年前にも行われ、
その時の演目『少女仮面』を自分は観ることができませんでした。
当時、メンバーだった禿恵に代理で行ってもらったところ、
たいそう感激して帰ってきた。それで、今回はなんとしてもと思い
繰り出しました。
20〜73歳のキャスト、経験問わないメンバー19人による上演でした。
公演を支えるスタッフも多く、早津さんの絶大な人徳を感じます。
一年もの時間をかけて稽古を積み上げてきたそうですが、
それだけの内容でした。俳優のからだとせりふを前面に押し出して
台本の中身を重んじ、セットも最小限で済むよう工夫されていました。
出演する人が活躍できるよう、時には危険な仕掛けが丁寧に除かれており、
それでいて物語を伝える。唐十郎作品への愛着と、芝居やテント演劇を通じて
多くの人と繋がっていこうという早津さんの信念を体現した3時間でした。
単に良い芝居をつくれば良い、というのではなくて、
早津さんには、この新潟で、こういう人たちと出会い、芝居をつくって
みたい、という信念があるのです。実際に新たな出会いもあったそうです。
初めは、やはりいつもの仲間が中心になるかも知れないけれど、
そのうちに、ひとりふたり、新たな出会いがあってそれを膨らませてゆく、
そういう志と展望を強く感じました。
終演後の交流会で、出演された皆さんと劇についてお話しするのも
たのしかった。何か一緒にできたら。自分も役に立てたら。
それから、もう一度、自分もまた『唐版 風の又三郎』をやってみたい。
そう思わずにはいられない夜でした。
明日の午後には、横浜に戻ります。

