8/3(月)スーツの思い出

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先週末、珍しくスーツを着てネクタイをしました。

私がこういう格好をするのは年に数回ほどで、
だいたい、何かしくじってお詫びに行く時か、
かしこまった面談の席か、どちらかです。
幸い、今回は面談の方でした。
とはいえ、かなり緊張させられ大汗をかきましたが。
スーツといえば思い出があって、あれは大学3年生の春。
唐十郎ゼミナールがスタートしたばかりの頃のことです。
その時、唐さんは世間の注目を集めていました。
三田佳子さんの息子さん、高橋裕也さんを唐組で預かり、
座長として彼に役者修行をさせる、身元引き受け人になられたのです。
唐組大阪公演の仕込みを終えて関東に戻ってきた唐さんは、
翌日に控えた大学での講義に備え、横浜駅のホテルに前泊されました。
東京のご自宅に戻れば、マスコミに囲まれてしまう恐れがあったからです。
そのことを室井先生から聞いた私たちは、翌日に向けて緊張しました。
ひょっとしたら取材の人たちが嗅ぎつけ、
唐さんを追いかけ回すかも知れない。
大学にマスコミがやってくるかも知れない。教授を守らねば!
そこで私たちはスーツを着て集まることにしました。
有名人の護衛といえばスーツ。これに決まっているからです。
翌朝、横浜駅から出勤された唐さんを、私たちはずらりと
スーツで出迎えました。しかし、マスコミの気配はまったく無し。
仕方がない。せっかく皆でそんな格好をしたので、
教室に教授が移動される際は、唐さんの四方につきまとうようにしました。
そして、最後には研究棟の前で記念撮影。
あの写真がどこに行ったのか、ついに見つけ出せずにいます。
あの時、私たちの対応に唐さんがかなり嬉しそうで、
つられて私たちもかなり楽しかったことを、よく覚えています。

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