9/1(水)難役、三腐人!
左から、松本一歩さん、佐野眞一さん、佐藤昼寝さんの3人が、
それぞれ乱腐(らんぷ)淫腐(いんぷ)珍腐(ちんぷ)を演じています。
今日は三腐人の場面を稽古。
この役はどうにも曲者で、今後の道のりの険しさを痛感しました。
何回も繰り返し稽古しましたが、喉への負担も大きく、
こまめに休憩してはチャレンジの繰り返し。
けれども、即時解決は難しく、問題提起的な稽古に切り替えました。
なんといってもこの役は演じ手にとって難解なのです。
思えば、初めて『唐版 風の又三郎』を読んだ大学一年生の時、
私の頭を真っ白にしたのがこの三人衆でした。
名前からして、どんな人たちなのか、そも人間であるかどうかわからない。
必然、せりふやト書きから彼らの内面をまったく想像できず、歯が立ちません。
さらに、そんな彼らが割と序盤に登場するものですから、
読み進めるのに苦心したのをよく覚えています。
ところが2019年の年末に、
久しぶりにこの演目の上演可能性を探った時、
革命的に目を見開かされたのもこの役でした。
さすがに20年も唐さんの作品に取り組んできたおかげで、
彼ら3人の人間味を感じられるようになったのです。
どうして彼らは自らを腐っていると言うのか。
なぜ帝國探偵社にいて、どういう職場なのか。
前職への執着やそれぞれの性的嗜好まで、
唐さんが仕込んだヒントをキャッチできるようになっていました。。
けれども、私が頭で理解しているのと、
役者が実際に体現できることの間には、大きな隔たりがあります。
この役を演じる役者たちは、必ず苦労するのです。
その突飛なキャラクター名、傍若無人なせりふの数々が、
役者から冷静さを奪い、盲滅法な動きやせりふへと突進させてしまう。
今日は稽古の進行役として、改めて難しさを痛感させられました。
と同時に、これからの苦労に対して覚悟も決まりました。
前回にレポートした佐々木あかりとともに、
時間をかけてコツコツ染み込ませていくのが最短距離です。
回数を恐れない根気がとにかく必要です。
ちょっと稽古スケジュールを工夫する必要を感じています。
全体の進行を管理している、禿恵に相談しなければ!

