5/12(火)文学全集

今日、文学を取り扱う専門家の方とお話しする機会がありました。
そのなかで、私は日ごろ気になってきたことを質問しました。

例えば、同じ作品において、文芸誌、単行本、文庫本など、
さまざまな形態で出版されたものの中身が少しずつ違った場合、
専門家はどのバージョンをいちばん頼りにされるのか。

答えは単純明快で、全集をもっとも正式なものとして
取り扱われるそうです。全集を編纂するのはその作家における
随一の研究者であり、深い検証と思案の果てに
行き着いた説や版を反映しているために、信頼に足る成果が
そこにあるのを前提とするということでした。

翻って考えてみると、唐さんの作品はそういう段階には
ほど遠く、上演団体それぞれが、自分の所有している出版物や
かつての上演台本から台本を起こしている状態です。
同じ演目でも、時には本によってズレが生じていること自体、
あまり知られていません。

いつか、そういう違いも整理して記載しつつ、
これがベストと考えられる版を集めた全集を作ってみたいものだと、
話しながら考えました。
冬樹社の唐十郎作品集を超えて、すべての作品の各バージョンを
網羅する唐十郎全集。唐十郎全集。良い響きです。