5/17(日)綱元ドンキーコング(齋藤)

先月から本日まで、『本番付き大道具』なるポジションで一つの公演に関わっておりました。

本番付きの大道具?って思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
セットを組み立てるのはもちろん、本番中のセットチェンジのため、本番に立ち会って転換などをする大道具さんといった感じです。
小道具の管理や役者さんの出ハケなどの細かいケア、よりも、大きなセットを動かすことが多く、
舞台転換要員、なんて呼ばれたりもします。

そしてその『本番付き大道具』の大きな仕事の一つに、「綱元(つなもと)」というボジションがあります。
あまり聞き馴染みがないかもしれませんが、舞台では重要なポスト。
舞台上にあるバトンを昇降させるのが主な仕事で、緞帳や幕、舞台セットなどをアップダウンするのが主な仕事。
昨今、電動バトンの現場が増えてきたましたが、今回はがっつり人力での昇降。
写真のように、大量の綱から引くべき綱を選び出し、きっかけに合わせて昇降します。

そしてもちろん演劇ですので、曲のこのタイミングで降り始め、8カウント2つ目で決まり、みたいな
センスを問われる本番を繰り返しておりました。

また忘れてはいけないのが、その重さ。
例えばしっかりとした作りの緞帳は余裕で100kgを超え、さらに同じ重さのカウンターウェイトが入っていて、
それを一定のスピードだったり、時にはがむしゃらに高速でアップダウン、さらには急ブレーキをかけて、
決まった高さで停止させたり・・・・。握力が限界の日々でした。

一番のネックは、カーテンコールで、
カーテンコールのたびに僕(100kgオーバー)が全力で綱を引き、重たい緞帳(こちらも100kg over)を
アップダウンさせていました。

カーテンコールが何度も続くと、普通スタッフとしては作品の評価として嬉しいもんですが、
今回ばかりは、「もういいじゃない」って毎日思いながら、全力で綱を引いておりました。
本日は千龝楽。カーテンコールは6回を超え、最後にはもう拍手をやめて欲しいって思ったとか、思わなかったとか。

もしかすると、あなたの見ている舞台の緞帳が動くたび、
舞台袖で大きな男が汗だくでロープを引いているのかもしれません。
(ちなみに、きっかけの間尺を図るために、一度動画をとってもらったのですが、
本気でロープを引いている瞬間、ちょっとドンキーコングみたいでした。ウホホ。)



(齋藤)